書籍のご紹介
がんと緩和ケアの作業療法
●B5 / 250頁 / 2013年 三輪書店
【著】 Jill Cooper
【監修】 三木 恵美 ・ 岡村 仁
内容紹介
近年,診療報酬において緩和ケア診療加算やがん患者リハビリテーション料が新設され,これらの領域に携わるOTが増える傾向にある.しかしながら,これまでがん・緩和ケアの作業療法に特化した参考書はほとんどみられなかった.
本書では,“がんとはどういうものか?”という基本から,呼吸困難,倦怠感等の症状コントロールのための作業療法アプローチを紹介するとともに,がん以外の疾患を含む緩和ケアにおける作業療法の解説もなされている.さらに,がんや緩和ケア領域においてOTが直面する課に対し,その解決へ結びつく提案もなされており,この領域に関わるOTに,新たな視点と問題解決のヒントをもたらす一冊である.
目次
日本語版によせて
著者紹介
監訳者序文
まえがき
序文
謝辞
はじめに
1 がんとは何か?
2 がんや緩和ケア領域において作業療法士が直面する課題
3 症状コントロールのための作業療法アプローチ
4 不安のマネジメントとリラクセーションにおける作業療法
5 呼吸困難のマネジメントにおける作業療法
6 がんに伴う倦怠感と作業療法
7 クライエント中心の作業療法アプローチーケーススタディ
8 小児がんと緩和ケアにおける作業療法
9 HIV関連がんと緩和ケアにおける作業療法
10 神経腫瘍における作業療法
11 ホスピスとデイケアにおける作業療法
12 精神力学的活動としての創作活動の利用
13 がんと緩和ケアにおける作業療法のアウトカム評価
付録
用語解説
略語
索引
緩和ケアが主体となる時期のがんのリハビリテーション
B5 並製 中山書店
288頁 写真・図・表:約140点
島ア寛将(ベルランド総合病院)/倉都滋之(ベルランド総合病院)
山ア圭一(ベルランド総合病院)/江藤美和子(ベルランド総合病院)
詳細 |
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がん患者に対するリハビリテーションは,機能改善だけを目指すのでも周術期だけに行われるものでもない.本書では進行期・終末期のがんリハに焦点をあて,がん医療や緩和ケアにかかわる専門職として必要なこと,終末期に大切にすべきことなど,臨床に役立つことを多職種の視点からまとめた.進行期や終末期を迎えたがん患者や家族がどう生きようとしているのかを考え,その“生き抜く”を支えるために必読の一冊.
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目次
1 はじめに―がん医療とがんのリハビリテーション
1.がんを取り巻く現況
2.サポーティブケアと看護の役割
3.リハビリテーションの役割
4.目標を共有したうえでのチームアプローチ
2 対象となる患者の抱える痛みや苦しみ
1.がん治療が進行期・終末期にもたらす影響
2.身体症状
3.精神症状
4.スピリチュアルペイン
5.社会的苦痛
3 進行期・終末期を迎えた患者のがんのリハビリテーション
1.総論
2.症状・病態別のアプローチ
1 骨転移
2 脳転移
3 麻痺
4 痛み
5 呼吸困難
6 廃用症候群
7 浮腫
8 全身倦怠感
9 嚥下困難と口内トラブル
10 ことば,声の出ない患者とのコミュニケーション
3.安楽なポジショニングと介助の工夫
4.化学療法による末梢神経障害に対する日常生活の工夫と対応
5.心のケアとしての作業療法アプローチ
6.場面別のアプローチ
1 緩和ケアチーム
2 緩和ケア病棟
3 在宅復帰支援プロセス
4 在宅
4 家族ケアとしてのリハビリテーション
1.患者が動ける時期の家族ケア
2.患者が動けなくなった時期の家族ケア
3.看取りの時期の家族ケア
4.グリーフケアとリハビリテーション
5.セクシュアリティを大切にした夫婦・家族へのケア
5 がんのリハビリテーションで用いるコミュニケーション・スキル
1.がんのリハビリテーション場面でのコミュニケーション
2.精神的苦痛への対応
3.返答に困る場面での対応例
4.コミュニケーション・スキル・トレーニング
6 アプローチの実際
1.体力消耗状態を呈した消化器がん患者のケース
2.悪性リンパ浮腫・骨転移を呈した乳がん患者のケース
3.脳転移を呈した患者のケース
4.訪問作業療法で心理的効果のみられたケース
5.緩和ケア病棟で支援的にかかわった2ケース
7 おわりに―自分自身のためのストレスマネジメント
バーンアウトしないために
あとがき
索引